« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

『新釈現代文』が大学受験「現代文」の"古典"ならば

『新釈現代文』が大学受験「現代文」の"古典"ならば、今はどうなの

と思って調べてみた。

「教養としての大学受験国語」 「大学受験のための小説講義」

    

というものが引っかかってきた。

どちらも「ちくま新書」で、著者は石原 千秋さんという近代文学研究者

なんと「新釈現代文」の著者 高田瑞穂さんの教え子とのこと

さもありなんと思わせる著書である。

大学受験における現代文、一言で言えば

出題者がどんな回答を求めているのかは問題をよく読めばわかる

というものらしい。

極端な話、選択問題であれば、出題文なんか読まなくても、選択肢は自ずと絞り込める。

なるほど、そういうものなのだろう。

確かに数学の問題だって出題者はどんな公式を使って回答して欲しいのかが解れば勝ったようなものだと思って臨んでいた。

評論は確かにそうだろう。しかし石原さんの本には小説の出題は難しいようなことが書いてある。

だから大学受験現代文に小説を出題する大学は限られてくるらしい。その大半はセンター入試か国公立二次試験、ということらしい。

そして、お決まりの「主人公は其の時何を考えたか」みたいな設問となる。

問題文に採用される小説であれば、概ね文章をよく読めば、出題者がどんな回答を期待しているのか解るものらしい。

そう、出題者が!である。

決して小説の作者が、では無いのである。

そうでない小説は入試問題には不適切なのだということだ。

そう考えると、僕が書いているような小説は絶対に入試問題に採用できない。

だって、主人公の想いなんてあからさまに書いてないから。前後関係読んだって絶対解らない。読み手が自由に考えて欲しいと思って書いているのだから。

愛明は小説の最後に、佑子からの手紙を読んで青空を見上げる。

其の時愛明は何を想っているのか?

そんなものは小説を読んだ人が、自分の青春時代の恋愛を思い起こして、勝手に想像してくれてかまわない、愛明の気持ちになったとしても、そのときの想いは決まったものではない。読んだ人が勝手にそれぞれのシーンをあてはめて、「俺が愛明なら、こんな想いで空を見上げるよなぁ」って自由に味わって欲しいと考えている。

僕は子供のころから、そういうふうに小説を味わってきた。だから試験問題でも自分だったらこう考える、そういう考えで解答してきた。点が取れないわけである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

貴重なる統計熱力学の講義目録を発見

コピー(とはいえ青焼き:といって通じる人はどれだけいるだろうか)であるが,碓井恒丸先生直筆物である.そんな貴重と思われるものを,実家に埋もれる本の中に見つけた.

2s

碓井恒丸先生といえば、裳華房「大学演習 熱学・統計力学」の共同執筆者の一人として知る方も多いのではないだろうか.

ふた昔以上前の「統計熱力学」の講義目録(全30コマ)だが,書き留めて残しておきたく,ここに記す.

§1 序

  1. 巨視系,巨視的物理量(射影)
  2. 巨視的法則(時間反転);熱伝導,液体中の球の運動
  3. 巨視的スケール,微視的スケール

§2 初等的運動論(特に理想気体)

  1. 圧力と Bernoulli の式; Joule-Thomson の実験
  2. 仕事と熱(付 結晶の Einstein 模型)
  3. degradation of energy (2物体の非弾性衝突)

§3 現象論(熱力学)I

  1. 第一法則の定式化
  2. 熱平衡,第零法則

§4 現象論(熱力学)II

  1. Carnot 機関,理想気体の-----とエントロピー
  2. Clausius の原理, Thomson の原理
  3. 機関の効率, Clausius の不等式
  4. エントロピー,積分分母

§5 熱力学理論

  1. Maxwell の関係
  2. 熱平衡の安定条件
  3. 自由エネルギー,最大仕事;熱力学的等式
  4. 不可逆過程の線形熱動力学

§6 統計力学の基礎

  1. 解析力学(正準方程式,正準変換,位相空間)
  2. Liouvilleの定理(分布関数)
  3. 熱平衡分布関数
  4. 自由エネルギー,エントロピー
  5. ゆらぎ;孤立系とマイクロ正準分布
  6. 2系の熱平衡;正常系
  7. 準静過程

§7 統計力学の応用

  1. 同種粒子系(理想気体)
  2. エネルギー等配分の法則,無磁性の定理
  3. 例:単原子分子理想気体,=原子分子理想気体
      固体(規準振動),熱放射

§8 量子統計力学の基礎

  1. 量子力学(不確定性,量子条件,Schrödinger 方程式)
  2. 密度行列,混合状態
  3. 熱平衡密度行列

§9 量子統計力学の応用

  1. 理想気体(境界,周期的---),表面効果
  2. 振動子系:放射場と固体格子振動(Debije 模型)
  3. Fermi 理想気体,金属電子系
  4. Bose 理想気体,入相転移

§10 開いた系

  1. 開いた系の熱力学,化学ポテンシャル
  2. 相平衡,Clapeyron-Clausius の式,相図
  3. 表面張力
  4. 開いた系の統計力学
  5. 多成分系,相律, partial entropy 等
  6. 浸透圧,化学平衡

ほぼ同じ内容で書籍が出ていた.学生時代の不勉強を反省し購入しました.

熱学・統計力学 (パリティ物理学コース)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大学受験「現代文」の"古典"である『新釈現代文』

最近これしか書かないといわれそうな、復刊ねただが

私はこの参考書を知らない。

出版元は倒産したらしいが、6月にまた例によって筑摩書房がちくま学芸文庫として復刊するらしい。

このまえがきに

読者へのことば -たった一つのこと-

として

「私の「たった一つのこと」とは、入試現代文という断片的な表現に関する方法なのです。そしてそれは、一言にして言えば「追跡」ということです。どこどこまでも筆者を追跡するという方法です。われわれの前に一個の文章が置かれ、その最初の文字が目に映った瞬間から、活発な問題意識と、生き生きした内面的運動感覚によって、筆者のことばを追跡することです。筆者は一体どんな問題を、どのように説くのであろうか。私は一体、「どこからどこへ」連れてゆかれるのであろうか。出発した以上、もうわれわれは恐れたり、引返したりはできません。どこへでも、どこまでも、筆者とともに行くほかありません。その文の最後の一行の終るところまで。そしてその文の終ったところで、無論われわれも立ち止まります。そして静かに、自分の位置を、自分の前後左右を、自分に近い過去と未来を見渡すのです。」

だそうである。

そして

「現代文がわからないという場合の多くは、実はあなたがたの問題意識が極めて希薄であるか、または全然欠如していることの告白であると私は断言いたします。ここで是非一つ、あなた方一人一人、御自分の心をのぞいて頂きたいものです。何がありますか。もしそこにあるものが、単に、見たい、聞きたい、食べたい、行きたい等の、総括して自分の感覚を満たそうという願いだけだったとしたら、そういう人に、入試現代文が難解であるのは、当たり前ではありませんか。そういう人は、無理をして、自分の精神年齢を引き上げなくてはなりません。無理をすることがどうしても必要です。例えば、仲間が口をそろえてむずかしいという本があったら、無理をして、それを読破して、いややさしいと言うのです。批評家など盛んにほめるが、あんな小説―映画でもよろしい―のどこが面白いのかさっぱり解らないと友だちが言ったら、それを能く読み、熱心に見て、いや確かに面白いと言うのです。こういう無理は、青春期においては少しもみにくいものでも、恥ずかしいことでもありません。青春時代は人間的教養を身につけなくてはならない時期です。Cultivationとはもと耕作し、育成することです。それは、関心する世界を開拓し、そこからさまざまな収穫を得ようとする態度なのです。」

だそうである。

高校の時、現代文は全くの苦手であった。上の文、耳が痛い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »